
GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を扱う自由診療ページでは、薬剤名と価格だけを掲載しても、読者が承認された用途との違い、入手経路、代替となる国内承認薬の有無、安全性情報、公的救済制度の扱いまで確認できるとは限りません。検索広告やSNS投稿から短い訴求文で誘導すると、ページ全体との情報差も生じやすくなります。
厚生労働省は2026年6月16日の通知で、これらの薬剤が承認された効能・効果や用法・用量の範囲外で使用された場合、その安全性と有効性は確認されておらず、健康被害につながるおそれがあるとして適正使用を求めました。同じ通知は、国内未承認や適応外の医薬品等を用いた自由診療の広告は原則禁止であり、ウェブサイト等で限定解除要件を満たす場合にも、治療内容、費用、リスク、副作用等の情報提供が必要だと説明しています。
この記事では、2026年10月13日時点の厚生労働省とPMDAの一次情報をもとに、GLP-1自由診療ページの公開前確認を5項目で整理します。個別の診断、処方、適応判断を扱うものではなく、院内担当者と制作会社が公開情報を照合するためのWeb運用チェックです。自由診療の価格表示はキャンペーン価格の確認もあわせてご覧ください。
結論:薬剤名ではなく「製品・使用目的・承認範囲」を一組で管理する
同じ成分名や薬効分類であっても、製品、剤形、効能・効果、用法・用量は同一とは限りません。ページを作る前に、使用する製品の販売名、一般名、剤形、国内承認の有無、承認された効能・効果と用法・用量、実際に案内する使用目的、入手経路を院内で確認します。
確認結果は、Webページ、料金表、予約画面、検索広告、SNS投稿、動画概要欄へ別々に転記するのではなく、一つの公開台帳を正本にします。製品や案内内容が変わったときに、古い承認情報や価格、リンクが残らない更新手順まで決めてから公開します。
GLP-1自由診療ページで揃える5つの確認
1.製品と使用目的を特定し、承認範囲と照合する
「GLP-1」「医療ダイエット」のような分類名だけではなく、実際に使用する製品と剤形を特定します。PMDAの医療用医薬品情報検索では、電子添文、患者向医薬品ガイド、審査報告書、医薬品リスク管理計画などを製品ごとに確認できます。効能・効果、用法・用量、警告、禁忌、使用上の注意の最新版を院内で照合します。
国内承認薬であっても、案内する目的や用法・用量が承認範囲と異なる場合は、医療広告上の「未承認医薬品等」に含まれる扱いとなり、通常の自由診療情報に加えて必要な表示があります。「国内承認薬だから未承認表示は不要」と一括判断せず、製品と使用目的の組み合わせで確認します。
厚生労働省の事例解説書第6版には、GLP-1関連で、承認された効能・効果と異なる目的の使用であるにもかかわらず、必要な情報が不足する例と改善例が掲載されています。原稿は医師・薬剤部門等の確認を受け、制作担当だけで適応範囲を決めません。
2.未承認・適応外、入手経路、国内承認薬の有無を近くに示す
医療広告等ガイドラインは、未承認医薬品等を用いる自由診療について、医薬品医療機器等法上の承認等を得ていないこと、医師等の個人輸入であればその入手経路、同一の成分や性能を有する国内承認医薬品等の有無などを十分に記載するよう示しています。
国内で承認された製品を承認範囲外で使う場合は、どの効能・効果で承認され、今回案内する目的はその範囲とどう異なるかを分けて書きます。入手経路は、実態に基づく具体的な確認結果を記載し、個人輸入していないものを個人輸入と書く、またはその逆の誤表示をしません。
同一成分や同等性能の国内承認薬がある場合は、その有無を確認します。ただし、Web制作担当が「代替できる」と医療判断を加えるのではなく、ガイドラインが求める情報と院内で確認された事実を掲載します。判断が難しい場合は公開を保留し、所管自治体の相談窓口や適切な専門家へ確認します。
3.海外の安全性情報と公的救済制度の扱いを確認する
未承認医薬品等が主要な欧米各国で承認されている場合、医療広告等ガイドラインは、各国の添付文書に記載された重大な副作用や承認・使用状況等の海外情報を日本語で分かりやすく説明するよう示しています。主要な欧米各国で承認されている国がないなど情報が不足する場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性を明示します。
「海外で承認」「多く使われている」といった断片的な表現だけで安全性を示したように見せません。確認した国、文書、版、日付、該当箇所を公開台帳へ残し、国内の承認状況と混同しない構成にします。翻訳は意味を弱めたり強めたりせず、院内で確認します。
同ガイドラインは、未承認医薬品等の使用が医薬品副作用被害救済制度等の対象にならないこと、国内承認品でも原則として決められた効能・効果、用法・用量、使用上の注意に従っていない場合は対象にならないことを明示するよう示しています。PMDAは制度の対象を、承認・許可を受けた医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた一定程度の健康被害と説明しています。個別の給付可否は一律に断定せず、最新の公式情報と相談窓口を案内します。
4.治療内容、期間・回数、標準的な費用、主なリスクを同じ導線で示す
自由診療の限定解除要件として、通常必要とされる治療内容、治療期間と回数、標準的な費用、主なリスクと副作用等を十分に記載します。診察料、検査料、薬剤料、配送費など別途発生し得る費用がある場合は、対象者が標準的に必要となる総額や内訳を判断できるようにします。価格設計は自由診療のキャンペーン価格で詳しく整理しています。
利点や予約ボタンを大きく見せ、リスクや未承認情報だけを極端に小さな文字、折りたたみ、離れたリンク先へ置く構成は避けます。厚生労働省のガイドラインは、未承認医薬品等の情報について、患者等に分かりやすい掲載場所へ配慮し、リンク先だけへの掲載や利点より極端に小さな文字を採用しないよう示しています。
「必ず処方」「誰でも利用できる」「短期間で確実」といった、診察前に結果や効果を保証するような表現は使いません。2026年3月の事例解説書第6版は、処方箋医薬品等を必ず受け取れると期待させる表現や、科学的根拠が乏しい情報による誘導、自由診療を保険診療と誤認させる表現の事例を示しています。
5.Web、検索広告、SNS、予約画面を一つの公開版で更新する
本文を整えても、検索広告に最低価格だけを出す、SNSでリスク説明を別リンクだけに置く、予約画面に古い製品名を残すと、媒体間で受ける印象が変わります。広告文、LP、料金表、FAQ、予約画面、SNS投稿、動画概要欄を同じ公開版として確認します。検索広告の確認項目は医療機関の検索広告も参考にしてください。
公開台帳には、対象URL、媒体、製品、使用目的、承認範囲、根拠文書、入手経路、国内承認薬の有無、海外情報、救済制度、費用、リスク、確認者、公開日、次回確認日を残します。製品の変更、電子添文やガイドラインの改訂、費用改定、予約導線の変更があったときの再確認条件も決めます。
制作会社や広告代理店へ依頼する場合も、承認範囲や医学的説明の確定を委ねず、医療機関側の確認責任者と制作側の反映責任者を分けます。SNS公開前の役割設計は医療機関SNSの公開前レビューで整理しています。
公開台帳に残す項目
- 製品名、一般名、剤形、製造販売業者、確認日
- 国内承認の有無、承認された効能・効果、用法・用量
- 実際に案内する使用目的と、承認範囲との違い
- 入手経路、同一成分・同等性能の国内承認薬等の有無
- 確認した海外当局・添付文書、重大な安全性情報、資料の日付
- 医薬品副作用被害救済制度等の対象に関する表示と公式案内先
- 治療内容、標準的な期間・回数、費用の範囲と内訳、主なリスク・副作用
- Web、広告、SNS、予約画面、FAQ、動画概要欄の対象URL
- 院内確認者、制作反映者、公開日、次回確認日、修正履歴
よくある質問
国内で承認された製品なら、未承認医薬品等の表示は不要ですか?
一律ではありません。承認された製品でも、承認された効能・効果や用法・用量と異なる目的で使う場合は、医療広告ガイドライン上の未承認医薬品等に含まれる扱いです。製品名だけで判断せず、今回案内する使用目的との組み合わせを確認します。
リスクや未承認情報は、FAQページへのリンクだけでよいですか?
十分とは限りません。ガイドラインは、患者等に分かりやすい掲載場所へ配慮し、リンク先だけへの掲載や利点より極端に小さな文字を避けるよう示しています。ページ全体の構図、予約導線、文字サイズ、スマートフォン表示を含めて確認します。
「保険適用の薬」と書けば問題ありませんか?
製品や使用目的、対象要件を省略すると、自由診療の案内が保険診療になったように誤認される可能性があります。事例解説書第6版はGLP-1関連の例を示しています。保険診療の対象可否は個別に異なるため、制作担当が断定せず、院内で確認した範囲を正確に記載します。
一度公開すれば、同じページを使い続けられますか?
製品、電子添文、行政資料、費用、入手経路、予約方法が変わることがあります。更新日だけを書き換えるのではなく、根拠文書と各媒体の差分を再確認し、確認者と修正履歴を残します。
公開前チェックリスト
- 実際に使用する製品と剤形を特定し、最新の電子添文等を確認した
- 案内する使用目的と国内承認の効能・効果、用法・用量を照合した
- 未承認または適応外であること、入手経路、国内承認薬等の有無を実態どおり記載した
- 海外の安全性情報を出典・日付・該当箇所とともに確認した
- 公的救済制度の扱いを最新の公式情報と一致させた
- 治療内容、期間・回数、費用の範囲・内訳、主なリスク・副作用を十分に示した
- 利点に比べて重要情報が小さい、遠い、開かないと見えない構成になっていない
- 処方、効果、保険適用、対象者について誤認や保証を招く表現がない
- Web、検索広告、SNS、予約画面、FAQ、動画概要欄の内容が一致する
- 院内確認者、制作反映者、公開日、次回確認日、修正履歴を台帳へ残した
まとめ:承認情報とページ表示を、媒体横断の公開版へ揃える
GLP-1自由診療ページでは、製品、使用目的、承認範囲を一組で確認し、入手経路、国内承認薬等の有無、海外の安全性情報、公的救済制度、治療内容、費用、主なリスクを同じ導線で示します。Webだけでなく、検索広告、SNS、予約画面まで一つの公開台帳で管理することが、誤認と更新漏れを減らす出発点です。
比較表現を含むページはNo.1・満足度表示の確認、症例画像を併用する場合は症例写真の掲載確認もあわせてご覧ください。
自由診療ページと広告の差分を、公開前に整理したい方へ
株式会社メディカルアトラクトでは、医療機関のWebページ、料金表、検索広告、SNS、予約画面を対象に、製品・使用目的・根拠資料・費用・リスク・更新担当を一つの公開台帳へ整理します。お問い合わせページから、対象ページ、使用している媒体、現在の確認体制、更新予定をお聞かせください。初回の相談では、優先して確認する表示、院内で確定が必要な情報、制作会社が反映する範囲、公開と改訂の順番を具体化できます。
Web・SNS・広告を含む支援範囲はサービスページ、制作・運用例は制作実績ページをご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(医療マーケティング担当)が、厚生労働省とPMDAの公表資料を2026年10月13日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(2026年10月13日確認)
- 医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正・厚生労働省)(2026年10月13日確認)
- 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版(厚生労働省)(2026年10月13日確認)
- GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について(令和8年6月16日・厚生労働省)(2026年10月13日確認)
- GLP-1受容体作動薬等の美容・痩身目的での使用による健康被害への注意(厚生労働省)(2026年10月13日確認)
- 医療用医薬品 添付文書等情報検索(PMDA)(2026年10月13日確認)
- 医薬品副作用被害救済制度の給付対象(PMDA)(2026年10月13日確認)
本記事は2026年10月13日時点の公表資料に基づく一般的な広告制作・Web運用上の整理であり、個別案件への法律上・医療上の助言、診断、処方、適応判断ではありません。表示の適法性や必要な情報は、使用する製品、使用目的、入手経路、媒体、ページ全体の構成等により異なります。判断が難しい場合は公開を保留し、院内の医師・薬剤部門・法務担当、所管自治体の相談窓口または適切な専門家へ確認してください。本記事は厚生労働省、PMDA等の提携・監修を受けたものではなく、治療結果、処方、保険適用、検索順位、来院、予約、問い合わせの増加を保証しません。