
SNS投稿から自社サイトへ何人が訪れたかを確認したいとき、投稿本文にURLを置くだけでは、媒体、投稿、企画ごとの流入を安定して分けられない場合があります。そこで使われるのが、リンク先URLに参照元やキャンペーン名を付けるUTMパラメータです。
Google アナリティクスの公式ヘルプでは、UTMパラメータを付けた参照リンクをクリックすると、その値がトラフィック獲得レポートに表示されると案内しています。ただし、大文字・小文字の違い、命名の揺れ、途中のリダイレクト、個人情報を含む値、確認するレポートのスコープによって、集計が分かれたり意図しない情報を送信したりするおそれがあります。
この記事では、2026年10月4日時点のGoogle公式情報をもとに、企業SNSのリンク計測を5つの手順で整理します。投稿後に見る指標全体はSNS運用のKPI設計、投稿日時と承認の流れは企業SNSの予約投稿もあわせてご覧ください。
結論:URLを作る前に「リンク台帳」を作る
最初に、媒体、アカウント、投稿ID、公開予定日時、リンク先、目的、担当者、UTM値、短縮前後のURL、確認結果を一つのリンク台帳へ記録します。担当者ごとにその場で値を考えるのではなく、同じ媒体と企画には同じ命名規則を適用します。
UTMはクリックを増やす仕組みではなく、流入の分類に使う情報です。投稿の表示回数、反応、リンククリック、サイト到達、問い合わせなどを混同せず、どの段階を何で確認するかを先に決めます。
企業SNSのリンク計測を揃える5つの手順
1.リンク先と確認したい行動を先に決める
投稿ごとに、サービスページ、記事、申込ページ、問い合わせページなど、読者に到達してほしいページを一つ決めます。公開前に通常のURLでページが表示され、スマートフォンでも操作できることを確認します。リンク先が未完成のままUTMだけを作っても、正しい計測にはなりません。
サイト到達後に見る行動も決めます。セッション数だけを見るのか、資料閲覧や問い合わせ完了などのキーイベントまで見るのかを、投稿の目的と対応させます。投稿内の反応はSNS側、サイト到達後の行動はアクセス解析側というように、確認場所を分けます。
2.source・medium・campaignの命名を固定する
GoogleのURL生成ツール案内では、utm_source、utm_medium、utm_campaignを使用し、クリエイティブを分けたい場合はutm_contentを使えると説明しています。企業SNSでは、sourceを媒体、mediumを運用区分、campaignを施策、contentを投稿や素材の識別子として、社内で意味を固定します。
UTMの値は大文字と小文字が区別されます。たとえば同じ意味でも表記が異なると別の値として集計されるため、半角小文字、区切り文字、日付形式、略称のルールを決めます。媒体名や企画名を途中で変えた場合も、台帳に変更理由と適用開始日を残します。
3.個人情報や機密情報を値に入れない
Googleは、ページURLとURLパラメータに個人を特定できる情報を含めないよう案内し、キャンペーンのsource、medium、term、campaign、contentにも個人情報を入れないよう注意しています。氏名、メールアドレス、電話番号、患者や顧客の識別子、問い合わせ内容、担当者だけが知る案件名などをUTM値に使いません。
投稿別に識別したい場合は、個人名ではなく、社内で管理する非個人の投稿IDや企画コードを使います。URLは転送、共有、ブラウザ履歴、解析画面など複数の場所に残り得るため、公開前レビューではリンク先だけでなくクエリ文字列も確認します。
4.短縮URLとリダイレクトを実際に通して確認する
長いURLを短く見せる場合は、短縮URLを発行した時点で完了にしません。Googleは、リダイレクトやURL短縮サービスによってUTMや参照情報が失われると、流入が「(direct) / (none)」へ分類される要因になり得ると説明しています。
投稿画面で使う最終リンクを、ログイン状態に依存しないブラウザとスマートフォンで開き、正しいページへ到達するか、UTMパラメータが保たれるか、不要な警告やループがないかを確認します。自社の短縮ドメインやリダイレクトを使う場合は、転送先の変更権限と終了時の扱いも台帳に残します。
5.GA4ではセッション軸と公開後確認を揃える
Googleのトラフィック獲得レポートでは、セッション参照元、セッション メディア、セッション キャンペーンなどを確認できます。「ユーザーの最初の参照元」は新規ユーザーが最初に来た経路、「セッション参照元」は新規・再訪を含む各セッションの開始経路を表すため、同じ数字にはなりません。
公開後は、リンクを一度クリックした直後だけでなく、計測処理後に台帳の想定値とレポートの値を照合します。source、medium、campaign、contentが意図した行に入るか、キーイベントまでつながるかを確認し、命名ミスを見つけても過去データが自動で一つにまとまると考えず、修正時点と影響範囲を記録します。
リンク台帳に残す項目
- SNS媒体、アカウント、投稿ID、公開予定日時、担当者、承認者
- 投稿の目的、リンク先URL、想定する読者の行動、確認するキーイベント
- utm_source、utm_medium、utm_campaign、必要に応じたutm_content
- 元URL、UTM付きURL、短縮URL、短縮・転送サービスの管理者
- PC・スマートフォンの到達確認、パラメータ保持、リンク切れの結果
- GA4で確認したディメンション、確認日時、想定値との差
- URL変更、投稿訂正、掲載終了、担当交代の履歴
広告リンクと通常投稿を混ぜない
広告プラットフォームとの連携では自動タグ設定が使われる場合があります。Google公式ヘルプは、自動タグ設定により手動設定より多くのプラットフォーム固有ディメンションを利用できると説明しています。広告担当が管理するリンクへ、通常投稿と同じ判断で手動UTMを追加しないようにします。
広告、通常投稿、プロフィール固定リンク、メール、QRコードで同じリンク先を使う場合も、mediumやcampaignの意味を分けます。自動タグと手動タグの優先関係、各広告サービスの動的パラメータは変更される可能性があるため、出稿前に利用中サービスの最新仕様を確認してください。
よくある質問
UTMを付ければSNSの表示回数もGA4で分かりますか?
分かりません。UTMはリンクを通ってサイトへ来たトラフィックの分類に使います。投稿の表示回数やSNS内の反応は各SNSの管理画面、サイト到達後のセッションやキーイベントはGA4というように分けて確認します。
投稿ごとにcampaign名を変えるべきですか?
施策全体をまとめて比較したいならcampaignは共通にし、投稿や素材の違いをcontentや非個人の投稿IDで分ける方法があります。何を一つの施策とするかを先に決め、同じ意味の値を毎回変えないことが重要です。
短縮URLならUTMは見えないので個人情報を入れてもよいですか?
入れてはいけません。短縮URLの転送先、解析画面、履歴などでパラメータが扱われます。氏名、メールアドレス、電話番号、患者・顧客IDなど、個人を識別し得る情報をUTM値に含めません。
数値が少ない投稿は失敗ですか?
一律には判断できません。対象者が限られる投稿、認知を目的とする投稿、問い合わせを目的とする投稿では見る指標が異なります。リンククリックだけでなく、到達先の内容、キーイベント、問い合わせの質、運用コストを投稿目的に沿って確認します。
公開前・公開後チェックリスト
- 投稿の目的、リンク先、確認する行動を決めた
- source、medium、campaign、contentの命名規則と小文字表記を確認した
- UTM値に個人情報、患者・顧客ID、機密の案件名が含まれていない
- 短縮URLやリダイレクト後も正しいページへ到達し、パラメータが保たれる
- PCとスマートフォンでリンク切れ、警告、表示崩れがない
- GA4で見るレポートとセッション軸を担当者間で揃えた
- 公開後に想定したsource、medium、campaignとキーイベントを確認した
- リンク台帳へ最終URL、担当者、確認日時、修正履歴を残した
まとめ:投稿URLと計測結果を一つの台帳でつなぐ
企業SNSのリンク計測では、UTMを付ける作業よりも、命名、個人情報、短縮URL、公開後確認を同じルールで続けることが重要です。投稿の目的から逆算し、リンク台帳を使ってURLの作成者、公開担当、解析担当の確認点をつなぎます。
数値を月次の改善へつなげる方法はSNS運用のKPI設計、リンクを含む投稿の訂正判断は企業X投稿の訂正・削除も参考にしてください。
SNS投稿・リンク台帳・GA4確認を一つの運用表にしたい方へ
株式会社メディカルアトラクトでは、企業SNSのリンク計測について、媒体、投稿、リンク先、UTM命名、短縮URL、承認、公開後のGA4確認を一つの運用表へ整理します。お問い合わせページから、利用中のSNS、主なリンク先、現在のUTMルール、確認したい成果をお聞かせください。初回の相談では、命名の重複、リンク作成と承認の担当、PC・スマートフォン確認、公開後に見るレポートとキーイベントの順序を具体化できます。
SNS運用の支援範囲はサービスページ、制作・運用例は制作実績ページをご覧ください。
本記事は株式会社メディカルアトラクト編集部(SNS運用担当)が、Google アナリティクス公式ヘルプを2026年10月4日に確認して作成しました。
参考にした一次情報
- URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
- トラフィック ソースのディメンション、手動タグ設定、自動タグ設定(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
- トラフィック ソース ディメンションのスコープ(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
- トラフィック獲得レポート(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
- 「(direct) / (none)」トラフィックについて(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
- 個人を特定できる情報(PII)を送信しないためのヒント(Google アナリティクス ヘルプ)(2026年10月4日確認)
本記事は2026年10月4日時点の公式情報に基づく一般的なSNS運用・アクセス解析上の整理であり、個別案件への法律上の助言ではありません。サービスの機能、名称、画面、利用条件は変更される場合があります。計測、Cookie、同意取得、個人情報の取扱いは、最新の公式情報、契約、社内規程、適用法令を確認し、必要に応じて適切な担当者・専門家へ相談してください。本記事はGoogleまたは各SNS運営会社の提携・監修を受けたものではなく、流入数、検索順位、問い合わせ増加を保証しません。